違法建築とはどんな物件?問題点や確認方法を解説

違法建築は、条例や建築基準法などに違反して建てられた物件を指します。

違法建築の物件は、住宅ローンの審査が通りにくくなったり、行政から指導が入って使用制限がかかったりします。

ほかにも問題点はあるため、基本的に違法建築は購入しない方が無難です。

この記事では、違法建築の定義や問題点、確認方法などを詳しく解説していますので、物件を購入する予定のある方はぜひ参考にしてください。

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違法建築とは

違法建築は、条例や建築基準法などに違反して建てられた物件です。

建築物を建てるときは、行政へ確認申請を行う必要があります。

建築計画に問題があるかどうかを確認してもらうためです。

確認申請した証拠がない建築物は、違法建築となります。

違法建築と似たものに既存不適格建築がありますが、両者は全く別物です。

既存不適格建築とは、建築時した当時は問題なかったが、法改正などが原因で法令に適合しなくなった物件を指します。

既存不適格建築は継続して利用できますが、増改築する場合は、現行法へ適合させる必要があります。

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建築基準法には何があるか

建築基準法とは、建築物を建てたり、利用したりする際に守らなければならないルールを定めた法令です。

建築基準法は大きく分けて、単体規定と集団規定の2つがあり、これらを満たす必要があります。

単体規定は建築物単体の安全性や耐震性、耐久性の基準を定めた規定です。

それに対して、集団規定は建物そのものではなく、市街地環境が良くなるように定められた規定です。

下記では、建築基準法のルールを7つ解説します。

建築基準法①建ぺい率

建ぺい率は、敷地面積に対する建物面積の割合です。

建ぺい率を確認すれば、敷地内でどれくらいの面積に建物が建築されているのかがわかります。

建築基準法では、建ぺい率は30〜80%と制限されており、建ぺい率がそれ以上の建築物は違法建築です。

建築基準法②容積率

容積率は、敷地面積に対する建物の立体的な容積の割合です。

簡単に言い換えると、敷地に対してどれくらい空間を使えるのかが分かります。

ただし、景観などの問題から、建築物の高さに制限を設けている地域もあるため、注意が必要です。

住宅の場合、地域によって異なりますが、50〜500%の範囲で制限されています。

建築基準法③道路斜線制限

道路斜線制限は、建築物の高さを規制したルールです。

道路の日照や採光、通風を妨げないようにするのを目的としています。

前面道路の反対側の境界線により、一定の勾配で引かれた線を道路斜線と呼び、建築物を建てるときは道路斜線の範囲内に収める必要があります。

建築基準法④北側斜線制限

北側斜線制限は、北側の隣地側に面した建物部分の高さを規制したルールです。

北側の道路側も含まれており、日照を妨げないようにするのを目的としています。

ただし、一部の用途地域では、北側斜線制限は適用されません。

建築基準法⑤隣地斜線制限

隣地斜線制限は、隣地の日照や採光、通風などを維持するための高さ制限です。

斜線制限には、隣地斜線制限のほかにも、前述した道路斜線制限と北側斜線制限があります。

それぞれの制限の中で、最も厳しい制限が優先されます。

建築基準法⑥耐震構造

耐震構造はその名の通り、地震の揺れに耐えられるように建てられている建築物です。

1981年6月1日以降に適用された耐震基準を新耐震基準と呼び、それ以前の耐震基準は旧耐震基準と呼びます。

建築基準法⑦建築確認の実施

建築確認では、法令に沿って建築計画が立てられているかを確認します。

この確認が行われると、証明に確認済証が発行されます。

また、自治体などで指定している中間検査と完了検査も、2006年の法改正で義務付けられているため注意が必要です。

違法建築の事例

違法建築にはさまざまな事例がありますが、とくに多いのは以下の事例です。

事例①建ぺい率オーバー

建ぺい率オーバーは違反項目の中で最も多い事例です。

建築面積に含めるべき箇所が含まれていないのが原因で、建ぺい率オーバーになる場合が大半です。

事例②違法増築

10㎡を超える面積を増築する場合は、申請を行う必要があります。

この申請を行わずに増築すると、違法建築扱いになります。

最悪の場合、行政から取り壊し命令が下されるケースもあるため注意が必要です。

事例③採光不良

居室面積の1/7以上の窓(開口部)の設置が建築基準法で義務付けられています。

それにもかかわらず、採光不良は違反項目の中でもとくに多いです。

申請時とは異なる建築物を建ててしまうことが理由として挙げられます。

窓を増やしたり、大きくしたりするのは非常に難しいため、とくに注意するべき項目です。

違法建築の問題点

違法建築の問題点として、下記の4つが挙げられます。

問題点①安全を確保できない

入居者や利用者の安全を確保できない点が最も大きな問題です。

安全性が確保されていない違法建築で事故が発生した場合、所有者の責任を問われるリスクがあります。

問題点②行政から指導が入る場合もある

違法建築の場合、行政から勧告や指導が入る可能性があります。

工事中の物件であれば、工事停止の指導が入るケースも考えられます。

問題点③住宅ローンが通りにくい

買い手が見つかっても、住宅ローンが通らない可能性があります。

違法建築の物件は、融資の対象外になる場合が大半だからです。

住宅ローンが通らないと、現金一括で買ってもらうしかありません。

問題点④売却するのが困難

違法建築は住宅ローンが通りにくく、売却するのが非常に困難です。

例え売却価格を低くしても、買い手がつかないケースは珍しくありません。

不動産投資のために違法建築を購入したとしても、最終的に大損する可能性が高いです。

違法建築は売買が可能?

結論から言うと、違法建築でも買い手さえ見つかれば、問題なく売却できます。
しかし、違法建築を購入したいと思う方はほとんどいません。

違法建築である旨を告知する義務が課されているため、隠して売却すると買主から損害賠償請求を起こされたり、契約解除と売却額の返却を求められたりする可能性が高いです。

どうしても買い手が見つからない場合は、更地にして売却する方法もあります。
建物を解体して更地にすれば、土地として売却できるからです。
建築基準法は建物に対する規制なので、更地にする方法も検討してみましょう。

以下の記事で詳しく解説しています。
違法建築物件は売却できる?注意点や高く売るコツとは

訳あり物件買取の流れを知りたい方は以下のページも合わせてご覧ください
訳あり物件買取の流れ

違法建築かどうかの確認方法

違法建築かどうか確認する方法として、下記の3つが挙げられます。

方法①検査済証を確認する

一つ目は、検査済証を確認する方法です。

検査済証があれば、その建築物を建てるときの計画が法令に適合していると言えます。

ただし、これは建築時のみ該当するため、法改正やリフォームが原因で違法建築となっているケースも少なからずあるため注意が必要です。

方法②是正ができるか確認する

二つ目は、是正ができる物件か確認する方法です。

是正できる物件であれば、例え購入する物件が違法建築に該当する場合でも問題ありません。

違法となる箇所を是正できれば、通常の建築物となります。

ただし、是正工事に費用がかかるため、その費用を考慮したうえで購入を検討する必要があります。

方法③専門家に相談する

三つ目は、専門家に相談する方法です。

専門家であれば、さまざまな知識を持っているため、しっかり鑑定してくれます。

信頼性が高いうえ、希望すれば修繕が必要かどうかなど、建築物の状態も判定してくれます。

違法建築の定義をしっかり理解しよう

違法建築とは、条例や建築基準法などに違反して建てられた建築物です。

安全を確保できない、住宅ローンが通りにくいなど、問題点が多くあります。

違法建築を売却しようか検討している方は、訳あり物件専門買取ラクウルに一度ご相談ください。

訳ありや難あり物件などを専門に扱っているため、違法建築を扱った実績も多くあります。

些細な点でも構いませんので、お問合せお待ちしております。