違法建築の売却方法を徹底公開!高値買取のコツと注意点・解決策とは
建築基準法や地域の条例に違反している建物を違法建築と言います。
「違法建築物件だから売却できないのでは?」と不安に思う方もいるでしょう。
結論から言うと、違法建築物件でも注意点を押さえれば売却可能です。
そこで今回の記事では、違法建築物件をお持ちの方に、違法建築物件を売却する際の注意点や高く売るコツを解説します。
訳あり物件の概要は以下のページでも詳しく紹介しています。
「訳あり物件について」
目次
違法物件(違反建築物)とは
違法建築物件とは、日本の法律や都道府県・地域の条例などの規定を抵触している物件のことを指します。
違法建築に関係する主な法令には以下のものがあります。
- 建築基準法
- 都市計画法
- 消防法
- その他条例
日本は国土が狭いため、こういった規定を設けていないと、好き勝手に家を建ててしまい、周りの住民に被害が出やすくなってしまいます。
こうしたリスクを避けるため、建物を建てる際の規定が細かく設けられているのです。
違反建築は、厳しく取り締まりが行われていて、規定に違反していることが判明した場合には、行政から所有者に対して改修の指示が出されます。
これに応じない場合には行政処分を受ける可能性も考えられます。
また、違反建築の規定は法改正などにより変わることがあるので注意が必要です。
それまで何も問題のなかった物件が法改正により規定に抵触した場合は、既存不適格物件という扱いになります。
以下のページでも詳しく解説しています。
参考記事:「違法建築とはどんな物件?問題点や確認方法を解説」
外部参考)
「建築基準法」(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0000000201)
「都市計画法」(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=343AC0000000100)
「消防法」(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323AC1000000186)
違反建築物件と既存不適格物件の違い
既存不適格物件とは、建築当時は規定に抵触していなかったが、法改正などにより規定が変わり、あとから違法物件になってしまった物件を指します。
たとえば、既定の一つである耐震基準は昭和56年から新耐震基準に変わった例があります。
それに伴って、これまでは耐震の基準を満たしていた物件のなかで違法な物件に含まれるようになりました。
違反建築物件と既存不適格物件は規定に抵触をしている部分は同様ですが、その扱われ方に違いがあります。
先ほど説明した通り、違反建築物件はそれが判明した段階で、すぐに物件の所有者が改修を行わなければなりません。
一方、既存不適格物件はそれが判明したとしても、住居として使用する分には特に問題がありません。
しかし、仮に既存不適格物件を増改築する場合などには、新しい規定に合わせる必要がありますので注意が必要です。
違法建築物件の種類
ここからは、実際に違法建築として取り扱われる物件の種類を紹介します。
所有する物件が当てはまらないかどうかを確認したい場合は以下の観点から調査をすることをおすすめします。
種類①材料や構造に問題がある物件
建物に使用しても問題のない材料や構造は建築基準法により定められています。
日本工業規格や国土交通大臣が認定する材料を使用していなかったり、構造が耐震基準にみたなかったりする場合が考えられます。
たとえば定められた防火素材を使用していない違法物件だった場合、火災が起こりやすくなるなどの危険もあるので注意が必要です。
参考:「建築基準法」(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0000000201)
種類②建物の高さに問題がある物件
建物の高さは、採光や通風を確保するために、斜線規制という規定で定められています。
道路や隣地、北の方角などの観点から制限をされている場合が多いです。
斜線規制は地域ごとに違いがあるので、物件の場所によって自治体に直接確認するようにしましょう。
種類③建物の面積に問題がある物件
建物の面積は建築基準法により定められています。
面積の考え方を簡単にまとめると以下のようになります。
規定項目 |
項目の説明 |
建ぺい率 |
土地の面積に対する建築面積の割合 |
容積率 |
土地の面積に対する延床面積の割合 |
※建築面積=建物を真上から見た際の面積
※延床面積=各階層の床面積を合計した面積
参考:「建築基準法」(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0000000201)
種類④建物の位置に問題がある物件
建物は、道路に一定の長さが接するように建てられなければならない「接道義務」と呼ばれる規定があります。
これは都市計画が進められている区域に多く見られます。
区域によって、この規定の長さは違うため、物件の場所によって自治体に確認しましょう。
種類⑤建物の使用用途に問題がある物件
建物の使用用途が限定されている地域が存在します。
この内容から外れて建てられた物件もまた違法建築とみなされてしまいます。
分かりやすい例としては、住居のみの用途に限定されている地域で工場などを建てた場合などが考えられるでしょう。
物件の用途が月日とともに変わった場合なども、この規定に違反してしまうケースなどもあるので注意が必要です。
種類⑥建物の建築フローに問題がある物件
建築する際に必ず行わなければならない手順が存在します。
これを行わずに建てられた物件は違法建築に含まれます。
手順を簡単にまとめると以下のようになります。
- 建築確認申請を役所に提出
- 役所の許可を得る
- 工事開始
- 工事完了後、検査を受ける
- 検査済証の取得
もし検査済証が手元にない場合は上記の手順を踏んでいるか確認することをおすすめします。
違法建築物件は売却できる?
前述したように、違法建築物件でも買い手さえ見つかれば売却できます。
しかし、違法建築物件で買い手を見つけるのは非常に困難です。
仮に、買い手がついたとしても、一般の不動産より売却価格が低くなるのは覚悟しておきましょう。
そもそも、違法建築物件を購入したいと思う方は少ないからです。
また、違法建築物件を購入する際、住宅ローンの審査が通りにくいのが現状です。
売却価格を低くしても、買い手が見つからない場合は、建築物を取り壊す手もあります。
更地にしてしまえば、違法建築物件ではなくなるからです。
ただの土地として売却できるため、建物がある状態よりも買い手が見つかりやすくなります。
以下の記事で、そのほかの訳あり物件に関する内容をまとめています。
訳あり物件をより詳しく理解されたい方はこちらも合わせてご覧ください。
【関連記事】訳あり物件を売却する方法
【関連記事】訳あり物件とは?
違法建築物件を売却する際の注意点
違法建築物件は需要が低いものの、買い手さえ見つかれば売却できます売却するうえで注意しなければならないポイントは下記の通りです。
しかし、売却する際は注意点を押さえたうえで、取引を進める必要があります。
売却するうえで注意しなければならないポイントは下記の通りです。
注意点①告知義務が課される
売却する前に、違法建築物件である旨を必ず告知しなければいけません。
それに加えて、どの箇所が違法なのかも伝える必要があります。
違法建築物件である旨を伝えずに売却してしまうと、買主から契約解除や売却額の返金を求められたり、最悪の場合だと損害賠償請求を起こされたりする可能性があります。
ただし、物件を売却する場合、仲介を依頼するのが一般的です。
そのため、買主への告知は不動産会社が行います。
売主は不動産会社に告知をすれば問題ありません。
違法建築の事実を隠していた場合、契約不適合責任に問われます。
こちらも同様に、契約解除や損害賠償請求の可能性があるので、あらかじめ正直に伝えておきましょう。
注意点②同規模の建物は建てられない
違法項目が建ぺい率・容積率オーバーの物件である場合、再建築する際は現行の法令に適合させなければいけません。
そのため、現在と同規模の建物は建てられなくなります。
違法建築物件が築古の場合、買主は建て替えを前提に購入するケースが大半です。
認識の違いによるトラブルを防ぐためにも、既存の建物より狭い建物しか建てられない旨をしっかり伝えましょう。
注意点③住宅ローンの審査が通らない
違法建築物件を購入する場合、買主の住宅ローンの審査が通らないケースが多いです。
例え違法建築物件だったとしても、不動産は人生で一番大きな買い物になります。
そのため、一般的に買主は住宅ローンを利用します。
しかし、住宅ローンの審査基準には、「建築基準法を守っているか」の項目があるため、審査に通らないケースがほとんどです。
違法物件に対して、金融機関は担保評価を出しません。
銀行が融資するのは、合法の建築物だけです。
つまり、違法建築物件の売却は、現金一括払いができる方、もしくは不動産買取を行っている業者の二択となります。
注意点④一般の不動産よりも売却価格が低くなる
違法建築物件はさまざまな問題があるため、一般の不動産よりも売却価格が低くなります。
不動産投資として購入した場合、最終的に大損する可能性が高いです。
注意点⑤再建築できない可能性がある
再建築不可物件である場合、既存の建物を取り壊して、新しい建物を建てることができません。
築古物件の場合、建て替えを前提に購入を検討する方がほとんどです。
再建築できないとなると、資産価値はより下がってしまいます。
再建築不可物件であるかどうかは、「間口が2m未満であるか」「接道する道路が4m未満であるか」で決まります。
これらを満たす場合、再建築不可物件です。
ただし、これらの条件を「間口が2m以上」「接道する道路が4m以上」にできれば、再建築可物件となります。
違法建築物件を高く売るコツ
違法建築物件を少しでも高く売るためには、コツを押さえる必要があります。
下記では、高く売るコツを3つご紹介します。
コツ①面積が広い点をアピールする
違法建築物件の中でも、違反項目が建ぺい率・容積率オーバーの場合は、「基準よりも面積が広い」とアピールできます。
建ぺい率・容積率をオーバーしただけでは、行政から取り壊しの命令は基本的に下されません。
つまり、建物を利用するだけであれば、問題にならないケースがほとんどです。
広い家に住みたいと考えている買主に向けて、面積の広さをアピールしましょう。
コツ②接道要件を満たす
接道要件を満たしていない場合は、セットバックを行うもしくは隣地を買い取り、再建築可物件にするのも一つの手です。
セットバックで境界線を下げると、幅4mの道路に接している状態になります。
この方法だと自分が使える敷地面積は狭くなりますが、再建築可物件になれば資産価値は一気に上がります。
また、間口が2m未満である場合は、間口の確保が必要です。
隣地を購入したり、借りたりして、間口を2m以上確保します。
敷地面積が広くなるため、自然と資産価値も上がります。
ただし、この方法だと土地が売りに出る機会を待つしかありません。
リフォームなどで物件を新しくする
違法建築物件は築古である場合が多く、建物の劣化が理由で購入を避ける方もいます。
リフォームを行い、物件の内装が綺麗になれば、築古物件でも需要を高められるでしょう。
違法建築物件でも、リフォームは禁止されていません。
壁紙やフローリング、設備などを新しいものに交換すれば、売却価格を上げられる可能性があります。
リフォームと並行して、ホームステージングも検討してみましょう。
ホームステージングは、売りに出している物件の室内をモデルルームのように演出するサービスです。
内覧にきた方の購入意欲を高めるのに効果的です。
違法建築物件を売却する流れ
違法建築物件を売却する流れは、基本的に通常の不動産売買と同じです。
下記では、主な流れを3ステップに分けて解説します。
流れ①査定を受けて不動産会社を選ぶ
まずは、査定を受けるところから始めます。
一括査定を利用すると、一回の入力でまとめて査定依頼を出せます。
不動産会社によって査定額に差が出てくるので、しっかり比較したうえで不動産会社を選びましょう。
スムーズに違法建築物件の売却を進めたい場合は、仲介よりも買取の方がよいです。
仲介業者に依頼しても、買主が見つからなければ売却できません。
違法建築物件の場合、そもそも需要が低いため、仲介に依頼したところで、買主の見つかりやすさはさほど変わらないです。
それに対して、買取業者であれば物件を買い取ってくれるので、買主を探す手間や時間を
省けます。
現金で一括支払いされる点も魅力で、早ければ数日ほどで現金化できます。
流れ②内覧の対応をする
不動産情報サイトなどに物件を掲載し、内覧希望者の対応をします。
トラブルを避けるために、内覧の際は違反に該当する箇所をしっかり伝えます。
物件の魅力も併せて伝えておくと、成約につながりやすいです。
流れ③売買契約を結ぶ
買主が違法建築物件である旨を理解し、納得したうえで購入を申し出れば、売買契約を結びます。
契約前の重要事項説明は、売主と買主、不動産会社の宅地建物取引士が同席したうえで行うのが基本です。
重要事項説明書を参照しながら、再度違反している箇所を確認していきます。
その後、問題なければ契約を締結し、代金の支払い、物件の引き渡しへと進みます。
訳あり物件買取の流れを知りたい方は以下のページも合わせてご覧ください
「訳あり物件買取の流れ」
注意点を押さえて違法建築物件を売却しよう
違法建築物件は需要が低いものの、買い手さえ見つかれば売却できます。
実際に売却する際は、しっかり注意点を押さえたうえで取引を進めるようにしましょう。
違法建築物件の場合、後からトラブルにつながりやすいです。
物件を売却する場合、仲介と買取がありますが、買取を検討している方は、訳あり物件買取専門ラクウルに一度ご相談ください。
お客様が所有している物件の売却をしっかりサポートさせていただきます。