訳あり物件とは?売買の際に押さえておきたい言葉の定義

「訳あり物件ってどんな物件なの」
「訳あり物件の告知義務はいつまであるのかな」

訳あり物件について、このような疑問をお持ちではないでしょうか。

訳あり物件についての正確な定義はありません。
多くの方が、何か問題のある物件、といった認識を持っているでしょう。
問題を明確にすると、訳あり物件がどのような物件なのかが見えてきます。

本記事では、訳あり物件がどのような物件を指しているのか、また瑕疵(かし)の分類や詳細を解説します。
記事の後半では、瑕疵担保責任や訳あり物件の告知義務についても、具体的にお伝えします。

訳あり物件の売買をするうえでの、最初の知識として把握しておきたいポイントをまとめているので、ぜひ最後までお読みください。

訳あり物件とはどんな物件?

訳あり物件がどんな物件かは、正確に定義されていません。
一般的には瑕疵のある物件を指しています。
瑕疵にはさまざまなものがあり、人それぞれに感じ方が異なります。

人によっては受け入れられるケースが、他の方には許容できないといった場合も多いです。
そのため、訳あり物件といえる物件の幅も広くなります。

瑕疵の分類

瑕疵には3つの分類があります。

  1. 物理的瑕疵
  2. 法律的瑕疵
  3. 心理的瑕疵

瑕疵とは、簡単にいえば物件の欠陥や不具合です。
水漏れ箇所がある、といった物理的なものから法律や心理的に関するものまであります。

種類①物理的瑕疵

物件に物理的な欠陥がある場合をいいます。

  • 雨漏りや水漏れ
  • シロアリ被害がある
  • 土壌汚染や地中の障害物

このように、物理的瑕疵はわかりやすいものが多いです。
売買する際に伝えていない場合でも、あとから発覚してしまうパターンはよくあります。
訳あり物件の売却や買取の際には、物理的瑕疵があるのか、しっかりと確認しておきましょう。

種類②法律的瑕疵

現在の法律に適していない箇所がある場合に、法律的瑕疵があるといいます。

  • 建築基準法・消防法などの基準を満たしていない
  • 法律が施行される前に建てられた中古物件に多い

長く住んだ家を売却する場合には、これまで問題なく暮らせていたため、法律の基準を満たしていないとは考えにくいです。
そのため、専門家に見てもらった際に、法律的瑕疵が発覚しやすいです。

法律的瑕疵に気がつかないまま売却してしまった、といったミスが起こらないように、事前に専門家にお願いし、確認しておきましょう。

種類③心理的瑕疵

訳あり物件でとくに問題になりやすいのが心理的瑕疵です。

  • 過去に事故や事件が起きた
  • 人が死亡した物件
  • 物件の付近で大きな事故や事件があった

心理的瑕疵は、他の2つの瑕疵と異なり、明確な定義がありません。
そのため、人によって感じ方、捉え方が変わります。
自分自身は問題ない、と思っていても買い手にとっては嫌悪感があり、ストレスになります。

心理的瑕疵に該当するようなポイントがある場合は、モレなく伝えておきましょう。

訳あり物件の瑕疵担保責任とは

簡単にいえば、欠陥品の物件を売った際に背負う責任です。
2020年に民法が改正され”契約不適合責任”と呼ばれています。
買い手は購入した物件に瑕疵が発覚した場合、4つの手段を行使できます。

  1. 損害賠償
  2. 契約無効
  3. 追完請求
  4. 代金の減額請求

瑕疵担保責任には期間が定められているため、買い手の方は注意が必要です。
瑕疵が発覚した場合には、1年以内に責任の追求を伝えなければ、権利がなくなります。
また伝えたあとに、5年以内に具体的な請求を行わなければ、時効になり費用を請求できません。

買い手の方が瑕疵に気がつかず、10年経過した場合も、売り手に責任を求める権利はなくなります。
しかし、売り手の方が瑕疵について、事前に把握していたにもかかわらず、意図的に告知をしなかった場合は、その限りではありません。

瑕疵については、売り手も買い手の方も、どちらも契約前に確認し、できるだけ把握をしておきましょう。
あとから瑕疵が発覚し、トラブルになると、手間もお金も必要になり、大変な思いをしてしまいます。

訳あり物件の告知義務とは

訳あり物件の瑕疵については、あらかじめ告知をする必要があります。
瑕疵担保責任と関係があり、仮に告知をせずに、売却したあとに瑕疵が発覚した場合には、売り手の方の責任です。
損害賠償や契約無効などの措置が取られ、売り手の不利益になります。

人の死に関する心理的瑕疵については、国土交通省のガイドラインにもまとめられています。
事件などで人が亡くなった場合でも、大体3年経過したら告知を伝える必要はないです。
しかし、社会的影響が大きい場合には、その限りではありません。

参考:「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を策定しまし(国土交通省)

訳あり物件の瑕疵については、告知の義務にかかわらず、しっかりと伝えておきましょう。

訳あり物件でも売却可能

訳あり物件について解説してきましたが、訳あり物件を売ることができるのか疑問な方もいるのではないでしょうか?
下記記事では訳あり物件の売却について解説していますので、ぜひこちらもご覧ください。

訳あり物件を売却するには?押さえておきたいポイント

訳あり物件のなかで事故物件に関する情報をお探しの方に向けて、以下の記事でも取り扱っています。
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訳あり物件の瑕疵を把握しておこう

本記事では訳あり物件はどんな物件なのか、また訳あり物件の具体的な瑕疵についての解説をしてきました。

訳あり物件を売買する際に、瑕疵について必要な知識であるのは間違いありませんが、すべての知識を理解し、状況を把握するのは大変です。
わからない点や悩んでいる点は専門家の力を借りていきましょう。
覚えておきたい大事なポイントは、瑕疵を把握していないとトラブルに発展しやすく、あとから大きな損失になる可能性がある点です。

ポイントを押さえておけば、訳あり物件を売却する際も、事前にトラブルを防げます。
訳あり物件を売買するためには、必要な知識を身につけるのも大事ですが、早めの行動も重要になってきます。
不動産の価値はなかなか先の読めないものなので、売り時を探るためにも、積極的に動いていきましょう。

売却の時は専門家と相談し、可能な限り高く売却できるように対応するといいでしょう。
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訳あり物件の概要は以下のページでも詳しく紹介しています。
訳あり物件について

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