心理的瑕疵物件とは?種類や基準を紹介
物件を探している中で、相場よりも安く提供された物件が見つかる場合があります。
単純に、少しでも安く物件を探している方にとってはお得に感じるものですが、実は事故物件である場合があります。
過去に物件内で事故が発生していたとしても、全く気にならない場合は問題ありませんが、心理的に不安を覚える場合が多いでしょう。
心理的瑕疵物件は一般的に事故物件と呼ばれており、物件探しをするうえで注意が必要となります。
では、心理的瑕疵物件とは具体的にどのような物件を指すのでしょうか。
この記事では、心理的瑕疵物件について疑問をお持ちの方に、心理的瑕疵物件の詳細について解説します。
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目次
心理的瑕疵とは
心理的瑕疵物件とは、不動産取引時に買主や借主が事情を把握した時点で心理的に抵抗のある物件を指します。
一般的には事故物件とも呼ばれており、主に過去に殺人などの事件が発生した物件を指します。
瑕疵とは、本来発生してはいけない以下の欠陥を指す言葉です。
- 品質
- 機能
- 状態
- 性能
心理的瑕疵とは、心理的な要因に影響を与える瑕疵が発生した状態となります。
心理的瑕疵物件は事故物件とほぼ同意語となりますが、正確には事故物件よりも広義な意味を含む言葉です。
例えば、物件の近くに反社会的組織の事務所があり、恐怖を感じる場合は一般的に事故物件とは呼びません。
ただし、上記のケースは心理的に悪影響を与える事象となるため、心理的瑕疵物件に該当します。
以下の記事で、そのほかの訳あり物件に関する内容をまとめています。
訳あり物件をより詳しく理解されたい方はこちらも合わせてご覧ください。
不動産における瑕疵の4つの種類
瑕疵には、予期する状態や性質が欠ける意味がありますが、不動産では以下の瑕疵が存在します。
- 物理的瑕疵
- 心理的瑕疵
- 環境的瑕疵
- 法的瑕疵
各瑕疵についての詳細は、次の通りです。
種類①物理的瑕疵
物理的瑕疵物件とは、土地や建物に物理的な欠陥がある状態を指します。
身近な物理的瑕疵としては、雨漏りやひび割れがあります。
また、過去大きな問題となった耐震基準を満たない物件やシロアリによる被害、構造上の欠陥なども物理的瑕疵です。
物理的瑕疵は建物だけに適用されるわけではなく、土壌汚染などがある場合も該当するのが特徴です。
物理的瑕疵がある物件の場合、売主や貸主は告知義務があります。
種類②心理的瑕疵
心理的瑕疵は、先に紹介した通り心理的に不安を与える事象を指します。
一般的には、人の死に関する以下の事象が心理的瑕疵に該当します。
- 自殺
- 他殺
- 事故死
- 孤独死
人の死に関する事柄は、どうしても心理的に避けたくなるものであり、例え問題なく住めたとしてもモヤモヤするものです。
また、心霊現象などを信じる方の場合、住み続けると毎日ストレスを感じる可能性があります。
よって、上記の事象については心理的瑕疵の代表例です。
そのほかにも、近くに墓地があったり迷惑施設が存在したりする場合も、心理的瑕疵に該当します。
もし、物件の中で過去に人の死が発生した場合、宅地建物取引業者が対応すべき事柄を示した指針があります。
それが、「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」です。
ただし、何が心理的瑕疵に該当するのかについては、明確な基準はないのが実情です。
自分にとっては心理的瑕疵に該当すると考えていても、心理的瑕疵として取り扱われていない場合もあるため、注意してください。
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種類③環境的瑕疵
環境的瑕疵とは、物件自体にはとくに瑕疵の要素はないものの、周辺環境に瑕疵の要素がある場合を指します。
環境的瑕疵の事例としては、近隣建物から発生する騒音や振動、異臭が挙げられます。
また、権利が認められている日照や眺望に関する問題も環境的瑕疵となるのです。
他には、近隣にごみ焼却場や廃棄物処理施設がある場合は臭いが気になる場合があり、遊戯施設などがあると騒音の問題があり環境的瑕疵となります。
さらに、近くに反社会的組織の事務所があり、迷惑行為が行われている場合は環境的瑕疵と捉えられる場合が多いです。
なお、反社会的組織の事務所が近隣にある場合、心理的な瑕疵にもなります。
一方で、環境的瑕疵と捉えられがちな公害などの問題については、物理的瑕疵や法的瑕疵と考えるのが一般的です。
種類④法的瑕疵
法的瑕疵とは、法令などにより自由な利用が阻害されていたり、法令に違反していたりする状態を指します。
法的瑕疵物件の場合、具体的には以下の法令で規制を受けた状態を指します。
- 都市計画法
- 建築基準法
- 消防法
上記法令などにより、建ぺい率や容積率に制限がかかったり、接道義務によって制限があったりする物件が、法令瑕疵物件となるのです。
また、実際に法令違反を犯している違法建築物も、法的瑕疵物件に該当します。
心理的瑕疵の基準
心理的瑕疵の基準については、先に紹介した通り人の死に関連する事象や周辺環境で人に不安を与える場合を指します。
ただし、明確な基準がない状態となっており、国土交通省が「不動産取引における心理的瑕疵に関するガイドライン」を整備している状況です。
当ガイドラインでは、不動産取引において取引対象となる不動産に関連する、嫌悪すべき事象がある場合を心理的瑕疵としています。
とくに、住宅用の不動産で殺人や自殺など、人の死が発生した場合が心理的瑕疵とされています。
心理的瑕疵物件の告知義務とは
国土交通省が整備を進めている「不動産取引における心理的瑕疵に関するガイドライン」では、以下の場合は心理的瑕疵物件であることを通知をしなければならないとされています。
- 殺人・自殺・事故死などの事象が発生した場合
- 自然死が発生した場合
なお、他にも心理的瑕疵に該当する施設等が存在しても、告知義務はありません。
また、告知義務はありませんが一般的には凶悪犯罪が発生した物件の場合、取り壊さない限りは告知するのが一般的となっています。
告知義務については、どの期間までの事象を対象とすべきかについては、過去の判例などから目安が示されています。
具体的な、告知の対象外となる例は以下の通りです。
対象外のケース①自然死・日常生活の中での不慮の死が発生した場合
自然死が発生した物件の場合、原則として告知義務は発生しません。
また、入浴中の心筋梗塞など不慮の自己で死亡した場合も、告知する必要がないとされています。
ただし、自然死の場合でも死後発見まで時間がかかった場合は心理的瑕疵として告知しなければなりません。
発見までの時間が何日まで、などの明確な基準はありませんが、一般的には24時間以上経過している場合は心理的瑕疵とされる場合があります。
対象外のケース②人が亡くなってから希釈期間の3年が経過した場合
人が亡くなってから時間が経過している場合、どの範囲までを告知を要するかがポイントになります。
実際には、その事件性や周知性、社会に与えた影響等により変化すると考えられています。
実際に、さまざまな判例から殺人や自殺、事故死の場合は事案の発生から少なくとも3年間、借主に対して告知しなければなりません。
3年を超えた場合、希釈期間を経過した形となり、告知の義務がなくなります。
対象外のケース③隣接住戸・通常使用しない共用部分で人が亡くなった場合
近隣住戸で死亡事故が発生した場合や、共用部分で人が亡くなったケースでは告知義務がありません。
とくに、アパートやマンションなどの集合住宅において、ベランダやエレベーターなどの共用部分で発生した事象は、ガイドライン上で告知義務はないとされています。
ただし、日常的に使用する場所で発生した場合、住み心地にも影響を与えるため告知対象とされています。
心理的瑕疵物件の有無をしっかり確認しよう
心理的瑕疵物件は、人によってはとても気になるものであり、契約したあとに事実が発覚しても手遅れとなります。
よって、事前に心理的瑕疵物件であるかどうかをしっかりと判断する必要があります。
また、自分自身の所有している物件で心理的瑕疵の事象が発生した場合、不動産会社に正しく告知してください。
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